閉じる経済の価値観

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地域おこし協力隊の任期の間に、取り組むと決めた一つのことに、大樹町だけの情報を扱うフリーペーパーを年4回発行するということがあります。いま現在、創刊号発行に向けて、ごりごりインタビューとライティングを進めているのですが、その取材の中で感じたことがあります。

 

”閉じる経済”の価値観

とある畜産農家さんの話。その方は育てた牛を市場にだす収入がメインのほか、ハンバーグやステーキにして販売したり自宅にレストランを併設しています。その味は本州のレストランや百貨店関係者にも人気で、電話での問い合わせもしばしばあるのだとか。一時期は催事にでたりもして、町外への販売にトライしたこともあったそうなのですが、今はやめています。

その理由を伺うと、「自分たちのスタイルには合わなかったから」。

どこまで売上を求めるかというのはとても難しい目標設定です。「知らない誰かに高値で売れることはもちろん素晴らしいことなのだけれど、身近にお世話になってる人に勧められない価格だとしたら、それは少し違うし、いつも来てくれる人に商品がないという時ほど申し訳ないと思うことはない」とおっしゃいました。

自分たちが育てたものが、目に届く人達の日常の食卓にあがることほど嬉しいことはない、そんな価値観のその生産者さんは、どんなに高値をつけられても、いつもお店に買いに来てくれるお客様への商品確保が一番。そのバランスを崩さない範囲でしか、商品を出荷しないのだそうです。

自分たちの精神のバランスと商売のバランスをとることは難しいことで、お2人だけで生産から加工までやられているそのご夫婦は、長年のいろいろなトライの結果、自分たちには今のこのバランスがいいということに辿り着いたのだとか。

”暮らしていくだけの収入があればいい”こと、

”目に届く人が幸せであることが一番”ということ、

閉じる経済の価値観というものを、実感した取材でした。

 

いつか来るかもしれない選択のとき

地域おこし協力隊の任期の間、私は「しっかりと稼ぐこと」に重きをおいて活動を始めることに決めていたものの、どう稼ぐかとかいくら稼ぐかは、まだ見えていません。

いまはまだ始める段階。見えてなくてもいいのかもしれません。

じゃんじゃん稼いで、地元に雇用を生むことはもちろん大事だと思っています。できることなら雇用を生みたい。でも、今回感じた閉じる経済の価値観は、地方だからこその価値観だよなぁとも感じ、いつか自分の商売と精神のバランスをとる時がきたら、そのときの自分はどういう選択をするのだろうかと、ふと考えた日でした。